おくりびと [DVD]
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カスタマーレビュー
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あえて残念な点を挙げると
31人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
正直、久しぶりに笑って泣けた、素晴らしい映画でした。数年に一本出会えるかの傑作だと思います。
ただ、あえてもう少し足りなく感じた点を挙げると、一つは、せっかくの山形という地方が舞台であったにも関わらず、あまり山形らしいいい風景、描写が少なかったこと。そして、俳優としては上出来だとは思うが、本木さんのチェロが、もう一つ音を奏でているように感じとれなかったこと。そして、これも、普通にはいい感じは受けたが、久石じょうさんの音楽が、他の久石さんの名作映画音楽に比べて、決してベストマッチには感じられなかったこと。特に、あのいいシーンで終わった後のエンディングが、なぜあんなに軽く、映像もあの描写だったのか、しみじみと余韻に浸ることが出来なかったこと。・・・があともう少しだけもったいないと感じました。
「おくりびと」という日本語のもつ美しい響き
74人中、51人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
私の祖母は生前まったく化粧っ気がなかったが、納棺師さんによって、見違えるほど美しくなった。この映画の中で、ガンで奥様を亡くした男性が「あいつ、今までで一番綺麗だった」と納棺師の前で呟く場面があるが、そのときの祖母の美しい顔がだぶり、思わず胸が熱くなった。
この映画は真っ直ぐだ。しかも変に美化することもなく、「この世に生を受けたものはやがて土に帰るのだ」という自然の法則や「自分たちはすべて宇宙とつながっている」という、我々の生命のつながりに対する思いを呼び覚まさせてくれる。
そんな感動と同時に、世間での職業差別や偏見にもスポットを当てている。本木さん演じる大悟も妻に「汚らわしい」と避けられる。納棺師と同じく、電車事故等の死体を処理する人もそんなふうに思われているのではないか?皆が嫌がる仕事をして、何で差別されねばならないのか?警察官はよくて、なぜ処理係は駄目なのか?
また大悟が山崎さん演じる佐々木に「死んだ人を触る僕達は白い目で見られて、死んだ動物や魚を触る料理人達は世間に歓迎されるのは何でですか?」と尋ねる場面があるが、それに対し佐々木は「人間に限らず、大抵の生き物は自分の命を保つため他の命を犠牲にする。そういう死にはみんな目をつぶるのだ」と答えていた。
つまり、自分が生きていくためには弱肉強食という大義名分の下に見て見ぬフリができるが、事故現場や納棺では死者本人から自身の死に対する恐怖を投影させてしまうから目を背けようにも背けられない。故にそれに耐え切れず嫌悪感が湧いてくるのだろう。
この映画は、そんな人間(生き物すべて)の悲しい性を、納棺師という職業を通してじっくり考える時間を与えてくれる、崇高な作品だ。しかも、悲しいだけじゃなく、送る側と送られる側に「ありがとう。さようなら」「いってらっしゃい。また会おうね」と希望で心を潤わせてくれる作品でもある。
最後に、この映画のタイトルを平仮名で「おくりびと」としたのは素晴らしい感性だ。日本語の持つやわらかさ、美しい響きがストーリーを一層引き立てている。
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